1977年版を考察

◆1977年のカード構成
 さまざまなシリーズがあるのがこの年の特徴。資料によると、
①黒版…№1~216(名場面特集、スターへの歩み、キャンプシリーズ、オープン戦シリーズ)
②青版…№1~251 ただし、№108が2種類あるため252枚発行(王貞治“一本足打法”の栄光、ペナントレース開幕特集、目指せ!ペナント奪取)
③大阪版…№1~144(序盤戦激突特集、対決!阪神VS巨人特集、スター選手特集、神VS巨“伝統の一戦”特集)
④名古屋版…№1~36(ガンバレ!ドラゴンズ・ジャイアンツ・ブレーブス・タイガース・ホークス)
⑤ジャイアンツ選手カード…№1~108+№なしが18枚で合計126枚(巨人快進撃シリーズ、がんばれジャイアンツ!、巨VS神“伝統の一戦”特集、)
⑥栄光の“756号”19年の歩み…№1~95(栄光の“756号”19年の歩み、不世出の英雄)
⑦脅威の破壊力・200発打線…№1~36
⑧日本一奪還GO・GOシリーズ…№1~36
⑨日本選手権シリーズ…№1~45
とある。順に考察していこう。

◆①黒版
 77年のシリーズの中で、最も入手しやすい。球団別では11球団から発行されている唯一のシリーズである。
 大きく4つに分類され、それぞれ「名場面特集」、「スターへの歩み」、「キャンプシリーズ」、「オープン戦シリーズ」と、内容的には、76年ペナントレース後から、77年開幕前までに発行されるべきものであるといえる。

◆球団別選手数調査(①黒版 216枚)
 ①巨人  (92枚)42.6%  ①阪急  (23枚)10.7%
 ②阪神  (28枚)13.0%  ②南海  (13枚)06.0%
 ③中日  (14枚)06.5%  ③クラウン( 4枚)01.8%
 ③広島  (14枚)06.5%  ③近鉄  ( 4枚)01.8%
 ⑤大洋  (11枚)05.1%  ⑤日ハム ( 3枚)01.4%
 ⑥ヤクルト( 6枚)02.8%  ○混合  ( 4枚)01.8%

 円グラフ1「球団別選手数調査①黒版」

名場面特集
 
左から
黒版 №16 長嶋茂雄(巨人)             (裏面)
黒版 №63 吉岡悟(クラウン)

スターへの歩み
 
左から
黒版 №86 長嶋茂雄(巨人)         (裏面)
黒版 №92 島本講平(近鉄)

キャンプシリーズ
 
左から
黒版 №132 江本孟紀(阪神)        (裏面)
黒版 №142 池谷公二郎(広島)

オープン戦シリーズ
 
左から
黒版 №145 長嶋茂雄(巨人)               (裏面)
黒版 №178 王貞治(巨人)

◆②青版
 こちらのシリーズは10球団から構成されており、残念ながらクラウンの選手のカードは発行されなかった。全部で252種類存在しているが、№216から252は、発行地域が限られ、また、ショートプリントの可能性が高い。
 表面の表記内容により分類する。なお、№1から179までは、裏面の下段には、広告(「サッポロポテト」、「かっぱえびせん」、「おさつクッキー」など)が掲載されているが、それ以降は、掲載されていない。また、3つに分類されており、「王貞治“一本足打法”の栄光」、「ペナントレース開幕特集」、「目指せ!ペナント奪取」となっている。
 内容は、開幕後からシーズン終盤戦のあたりか。

◆球団別選手数調査(②青版 252枚)
 ①巨人  (119枚)47.2%  ①阪急  ( 20枚)07.9%
 ②中日  ( 17枚)18.2%  ②南海  ( 12枚)04.8%
 ③阪神  ( 46枚)06.7%  ③近鉄  (  6枚)02.4%
 ④広島  ( 13枚)05.2%  ④日ハム (  1枚)00.4%
 ⑤大洋  ( 12枚)04.8%  ⑤クラウン(  0枚)00.0%
 ⑥ヤクルト(  6枚)02.4%       

 円グラフ2「球団別選手数調査②青版」

王貞治“一本足打法”の栄光
 
左から
青版 №1 王貞治(巨人)           (裏面)
青版 №15 王貞治(巨人)

ペナントレース開幕特集
 
左から
青版 №46 掛布雅之(阪神)         (裏面)
青版 №66 J・シピン(大洋)

目指せ!ペナント奪取
表面の表記は、上段に「目指せ!ペナント奪取」、下段に「選手名(球団名)」。
 
左から
青版 №86 池谷公二郎(広島)        (裏面)
青版 №108 藤田学(南海)   

目指せ!ペナント奪取
表面の表記は、上段に「選手名(球団名)」、下段に「日付(球場))と対戦名」。
 
左から
青版 №159 W・デービス(中日)         (裏面)
青版 №186 新浦寿夫(巨人)   

目指せ!ペナント奪取
表面の表記は、上段に「選手名(球団名)」、下段にコメント。
 
左から
青版 №231 柳田真宏(巨人)         (裏面)
青版 №239 福本豊(阪急) 

③大阪版
④名古屋版
 については、別ページで紹介する。

◆球団別選手数調査(⑤ジャイアンツ選手カード 126枚)
         (⑥栄光の“756号”19年の歩み 95枚)
         (⑧日本一奪還GO・GOシリーズ 36枚)
         (⑨日本選手権シリーズ 45枚)

                               はすべて巨人選手で構成(一部複合があるが、全て巨人とした)。
                               円グラフは省略する。

◆⑤ジャイアンツ選手カード
 108枚から構成されているが、後半の№37から、72までは入手困難なシリーズである。
 裏面のシリーズで分類するが、№1から36までは、「巨人快進撃シリーズ」、№37から72までは、「がんばれジャイアンツ!」、№73から108(最終)までは、「巨VS神“伝統の一戦”特集」となっている。また、通称「クラフトカード」が存在しており、こちらは18種類存在が確認されている。
 発行時期は、シーズン前半戦から終盤戦にかけてであろう。
 
左から
ジャイアンツ選手カード №9 浅野啓司(巨人) (裏面)
ジャイアンツ選手カード №11 C・ライト(巨人)

 
左から
ジャイアンツ選手カード №37 長島茂雄(巨人) (裏面)
ジャイアンツ選手カード №51 小林繁(巨人)

 
左から
ジャイアンツ選手カード №97 高田繁(巨人) (裏面)
ジャイアンツ選手カード №105 柴田勲(巨人)

「クラフトカード」
 切れ込み方の違いなど異種が結構あるようだが、全貌は不明。18枚確認されており、全選手巨人。下部の色は薄黄、ピンク、黄緑がある。また、通常のカードと同様、ホームランカードも存在している。
 
左から
N№ 王貞治(巨人)
N№ 張本勲(巨人)
N№ 河埜和正(巨人)


N№ 張本勲(巨人)(裏面)

◆⑥栄光の“756号”19年の歩み
 このシリーズも、いくつかに分類される。№1から32までは、「おめでとう!756号特集」。№33から59は、「おめでとう!756号特集」であるが、表面の表記が3行程度の文章で表されている。№60から95(最終)までは、「不世出の英雄」シリーズで、裏面に表記されている。
 なお、№33から59と、№60から86は、写真が全く同じである。


左から
№4 王貞治(巨人)
№14 王貞治(巨人)
№17 王貞治(巨人)


№4 王貞治(巨人)(裏面)

 
左から
№38 王貞治(巨人)             (裏面)
№52 王貞治(巨人)

 
左から
№60 王貞治(巨人)             (裏面)
№72 王貞治(巨人)


◆⑧日本一奪還GO・GOシリーズ
 こちらのシリーズは、非常にレア度が高く、入手困難シリーズの1つである。
 
左から
№7 藤城和明(巨人)              (裏面)
№27 小林繁(巨人)

◆⑨日本選手権シリーズ
 日本シリーズの様子を扱ったシリーズであるが、巨人側からの立場で発行されている。実際、日本シリーズに勝ったのは、対戦相手である阪急ブレーブス。
 他のシリーズと比べ、入手は比較的容易であるだろう。
 
左から
№1 王貞治(巨人)                  (裏面)
№17 長島茂雄(巨人)

◆球団別選手数調査(⑦脅威の破壊力・200発打線 36枚)
                               はすべて阪神選手で構成。
                               円グラフは省略する。

◆⑦脅威の破壊力・200発打線
 すべて、阪神タイガースの選手で構成されている。シーズン後半戦に発行されたと思われる。
 
左から
№2 掛布雅之(阪神)              (裏面)
№28 江本孟紀(阪神)


◆1977年シーズンを振り返って
 セリーグは巨人、パリーグは阪急が優勝。日本シリーズは、阪急が4勝1敗で日本一。阪急黄金時代。
 ちなみにヤクルトは2位。
 また、王貞治がハンクアーロンの通算本塁打記録を破った年でもある。

◆収集状況
 なかなかレア度の高いシリーズは、入手できていない。ただし、ファーストカードはすべて入手できているので、良しとしよう。

◆その他のトピックス
 1977年重複枚数整理
 1977年ファーストカードを追え
 1977年の景品
 1977年の地方版とは?


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